衆議院予算委員会

○細野委員 民主党の細野豪志でございます。大臣の皆さん、よろしくお願いをいたします。
 私も、仙谷委員の質問に引き続きまして、埋蔵金の議論から少し入りたいというふうに思います。
 これは与謝野大臣にお伺いをしたいんですが、この埋蔵金の議論で、私がこの経緯を見ておりまして今の内閣の中で非常に奇妙だなと思いますのは、従来、埋蔵金というのは、自民党の中でいうといわゆる上げ潮派の皆さんが言っておられて、こんな財源があるではないかという議論からスタートしたわけですね。今、政権の中枢に座っていらっしゃる皆さんのお顔ぶれを見ると、上げ潮派の方々はどうもいらっしゃらない、そうでない方が座っていらっしゃるんだけれども、財源には上げ潮派の方々がおっしゃっていた埋蔵金を使われている、こういうふうに私には少なくとも見えます。ただそこは、自民党の中のいろいろな議論ですから、私どもが土足で入ってわあわあ言うことでもないでしょうから、これ以上は申し上げません。
 ただ、与謝野大臣、初めに一つだけ申し上げたいのは、与謝野大臣は埋蔵金はないとずっとおっしゃっていたわけですね。ことしの補正予算と来年度の予算を合わせると、与謝野大臣がおられる麻生内閣は八・四兆円の埋蔵金を積み崩されるんですね。
 片や、我々はどうかというと、埋蔵金を当てにしていますよ、当てにしていますが、我々が当てにしている埋蔵金は、特別会計の中から四年間で六・五兆円という計算をして我々はマニフェストを出したんです。それに対して与謝野大臣は、去年、おととしと埋蔵金論争があったわけですが、財政改革研究会という自民党の中の、皆さんの立場、財政均衡派の立場に立たれているレポートの中で、民主党の政策をもって、民主党の財源論は埋蔵金伝説のたぐいだと辛らつに批判されているわけですね。
 我々の財源を批判しておいて、我々よりも埋蔵金をたくさん使って予算をつくっていらっしゃるわけだから、自民党の中の議論は結構ですが、やはりこれは、民主党に対してはこの見解は間違っていましたと言っていただかないと、ちょっとこの議論はスタートしないと思うんですが、いかがですか。

○与謝野国務大臣 自民党の財政改革研究会の、いわゆる特別会計の中に含まれているお金に関しての分析は、林芳正さんが座長でやりまして、細野先生にもぜひ御一読いただきたいと思っております。
 民主党のいろいろな政策は、随分一生懸命勉強されてつくられたと思いますけれども、やはり財源のところではいろいろ難点があって、これは自民党と民主党の間で本格的な政策論争をやられたらいいと思いますけれども、私らから見ると、やはりもう少し研究をされた方がよかったのではないかなと思うところが多々ございます。
 もし御参考になれば、私が党にいましたときに民主党の足りない部分を指摘した文書がありますから、必要であればいつでもお届けいたします。

○細野委員 それは政策で、財源論争はどんどんやりましょう。我々もそれはやる覚悟はありますし、もう既に何度も提示をしていますから、それは結構です。
 ただ、きょうはその話ではなくて、皆さんの埋蔵金の使い方がどうなんですかということを聞いているんですよ。
 与謝野大臣、まず前提認識として、私はそろそろ埋蔵金の論争に、わけのわからぬ論争には終止符を打った方がいいと思っていまして、どこまで使えるのかという線をしっかり引いていただいた方がいいと思うんですよ。
 予算委員会の初日に自民党の政調会長が質問に立って、こうおっしゃっているんですよ。政府が「埋蔵金を発掘しながら対処をしていった」と。埋蔵金という言葉を御党の政調会長まで使っているんですから。
 例えば、与謝野大臣、今回使っている財投特会の金利変動準備金ですが、これは基準として正しいですか。千分の五十という基準がありますが、かつて、千分の五十が千分の百になって、千分の五十になって、これは基準になっていますか。どうですか。

○与謝野国務大臣 質問ですから俗な言葉を使ったと思いますけれども、実際は、特別会計にあるいろいろなお金は、手をつけてはいけないものと、辛うじて使うことが許されるのではないかというお金と、多分分けられるんじゃないかと思っております。
 今回使います財融特会というのは、そもそも安い金利でお金を調達してきて......(細野委員「それはわかっています。よくわかっています」と呼ぶ)わかっておられるんですけれども、高い金利で貸して得た収入ですから、その金融収益を、従来もストックからストックへという形で使っているわけです。それについて今回、財政窮乏の折から、他のところに使うのは辛うじて許されるんじゃないですかということを申し上げているんです。

○衛藤委員長 与謝野大臣に申し上げますが、基準について発言を求めています。

○細野委員 千分の五十というのは、これは財務大臣もよくわかっていらっしゃると思いますが、上限なんですね。これ以上いったら本当は借金返しに使いますよという基準を、かつて千分の五十、あるとき千分の百にして、今は千分の五十にして、これ以上いったら借金を返しますと言っているわけです。下限はないんですよ。本当は下限をつくらないかぬですね、これだけは少なくとも持っていないといろいろな金利変動に対応できませんから。こういう基準ですという線がないから埋蔵金になっちゃって、結局幾ら使えるかという基準がわからなくなっているんですよ。その意味で、基準がない。
 これは具体的に、ここで論争しても答えが出ないと思いますので、基準をつくってください。では、財政投融資特会の金利変動準備金はどこまで削れるのか。これが下限ですという線を切れば、これは時期によって変動してもいいと思いますよ、そうしたら、この分野についての埋蔵金論争は終わるんですよ。その方が財政再建派の皆さんにとってもいいはずです。
 もう一つ言います。
 今回、予算の中で使われている埋蔵金がもう一つあります。これは与謝野大臣、御存じですか、特別会計から出ている資金、特別保健福祉事業資金というものがあるんですよ。これは何に使われているかというと、与謝野大臣、よく聞いてくださいよ。二千二百億円の社会保障費の削減が今大騒ぎになっていますね。自民党の中でも騒ぎになって、二千二百億円毎年削減するのは無理だということで財源を探した、そうしたら出てきたのがこの埋蔵金なんですよ。主に医療に充てられます。
 いいですか、与謝野大臣。先ほど与謝野大臣が取り崩せないとおっしゃった年金特別会計の中からこの埋蔵金は出てきたんですよ。何でこんなものが年金特会の中にあるんですか。歴史の経緯を私は調べましたが、厚生労働大臣、医療の老人健康保険の関係で、この補てんをするために基金を厚生年金基金の中につくっていたわけですね。
 厚生労働大臣、ここははっきり答弁いただきたいんですが、なぜ、年金特会の厚生年金勘定という、本当は厚生年金のための勘定の中に医療の資金があるんですか。お答えください。

○舛添国務大臣 なぜこれが特会に入ったか、どうしてつくられたか。
 これは二つ理由がありまして、一つは、御承知のように、老人保健制度を改革した、そのときに、どういう形でそれぞれの保険者が拠出金をやるかというときに、単純にお年寄りの比率が何%というのを一般化してやりましたから、サラリーマンが入っているのはそんなにお年寄りはいないわけですから過剰な負担になっている、それからそうじゃないところは過小の負担になっている、それの調整をどういうふうにしてやるかというときに、ですから、今でもいろいろな形で被用者、つまりサラリーマンの保険の負担が過剰に出ている分に対する支援をする、そのためが一つ。
 それから、もともと厚生年金に対する国庫負担を繰り延べてきている。いつかは払ってもらわないといけない。では、その財源をどういうふうに確保するかということで、一・五兆円の基金を置いて、そこから生み出す運用益を使う。片一方では、先ほど言った保険者の拠出のインバランスを埋めるために使う。そして将来の、もともとは国庫から年金勘定に入れてもらわないといけないのを、それはやはり金がないということで、そういうところは非常に役人は頭がいいと思いますが、何とかして知恵を生み出して、どうするかということで、それでこれは今言った基金ということをやった。
 それは、そのころに潤沢な財源があれば年金勘定にもらっておけばいいわけですよ。それから、もう毎回そうなんですけれども、まさに老人医療をどうするか、国民皆保険をどうするかというときに、皆さん方に拠出を求めないといけない、そのときの負担のバランス。この二つでもってやったので、これをいわゆる埋蔵金と呼ぶのかどうなのか、私はそれは若干疑問に思います。
 ここまでにちょっととどめておきましょう。

○細野委員 私は、この説明を何度も聞いたんですが、よくわからないんですよ。ようやく大体つかめました。(舛添国務大臣「わかったでしょう」と呼ぶ)つかめました。
 ただ、舛添大臣、ここだけははっきり申し上げておきたいんですが、厚生年金のこのお金、厚生年金が本来持っておくお金を医療に回すのはおかしいですね、年金の資金ですから。企業の健康保険組合に入っている人、だから企業の医療の保険に入っている人と厚生年金に入っている人は、確かに近いですよ。近いですが違いますね。別の制度ですよ。別の制度なんだけれども、いろいろ資金の出どころが、そこから出たということもあって、年金特会の厚生年金勘定の中にとりあえず置いておいた。こういう不明朗なお金こそ埋蔵金なんですよ。その証拠に、今回一般会計に戻すんでしょう。戻すんじゃないですか。

○舛添国務大臣 それは、不明朗というか、私は役人は知恵があるなという言い方を半分嫌みを込めて言いましたのは、今委員がおっしゃったように、確かにそれは、サラリーマンですから厚生年金に入っている。それから、サラリーマン、要するに被用者、わかりやすいようにサラリーマンの保険。同じわけです、保険者は。余りに過剰な負担になっているから、ある意味で同じ人を対象にするという意味でやったわけです。
 そういう意味では不明朗といえば不明朗だけれども、とにかく国庫に金がないときどういうふうにしてお金を生み出しているか、ある意味で役人の、皮肉を込めて言えば知恵があるなという感じがしておりますけれども、それを埋蔵金と呼ぶかどうかはちょっとこれはまた、余り埋蔵金の定義論争をするよりも、事情はそういうことでしたということを申し上げておきたい。

○細野委員 与謝野大臣も今聞いていただいたと思うんですが、不明朗といえば不明朗でしたと厚生労働大臣自身おっしゃっているんですよ。
 御存じのとおり、医療は一般会計でやっているわけですよ。ですから、医療の補てんをするのであれば一般会計でもともとやるべきものを、厚生労働省の、自分の財布じゃないから、この厚生年金勘定の中にとっておいた、年金特会の中にとっておいたというのが実情ですよ、少なくともここまで維持をしてきたのは。
 与謝野大臣、私は一つショックだった。なぜショックだったかというと、私も大分埋蔵金に詳しくなりまして、いろいろなところのいろいろなおかしな資金を調べてきましたが、まさか年金特会の中にこんな使えるお金があるとは思わなかった。なぜなら、年金特会というのは年金の保険料を積み上げてきて、そこは手をつけちゃいかぬというふうに思っていたから我々もこれは見てこなかったのが、実はそこからですらこういう埋蔵金が出てきたというのは、この特別会計の性格というのを極めて端的にあらわした例だ、私はそう思うんですよ。
 与謝野大臣、そこは、本当にこの特別会計の、埋蔵金という言葉を使うか使わないかは結構ですが、こういう性格があるんだということはわかってもらいたい。
 もう一つ埋蔵金について申し上げたいのが、公益法人の埋蔵金なんですね。資料をつけましたので、与謝野大臣も見てください。
 一番最後の資料ですが、先日我が党の前原委員も質問しました財団法人道路保全技術センターです。この団体、去年の予算委員会で私が何度か問題にした団体なんですが、現金を非常にたくさん持っていた。具体的に言うと、この表でいうならば現金預金というところですが、真ん中の前年度のところでいうと、二十四億円近い現金預金を去年の時点で持っていました。これは内部留保の割合でいうと四〇%を超えていまして、公益法人は内部留保の割合を三〇%以上持つのはおかしいということになっていますから、その基準をはるかに超えて、しかも現金で二十四億円なんというお金を持っているのはとんでもないことだということで指摘をしました。
 そうしたら、ことしになって埋蔵金がどうなったかと見たら、実はけたが三つ減っているんですね。ほとんどない、現金預金。どこに行ったのかと思って捜したら、下の方を見てください、真ん中辺ですね、道路保全技術等推進基金、十五億円基金を積んでいるんですよ。
 これは、積んで何が起こっているかというと、現金預金に置いておけば、これは内部留保で、まさにこれを取り崩せという対象になる。基金で積めば、これはまさに特定資産、すなわち固定化されていますから、この財団のもので、内部留保で取り崩しとかいう議論にならないから、こういう基金を積んだんですね。これが典型的な財団法人の埋蔵金です。
 国土交通大臣に聞きます。
 金子大臣、去年の四月に、道路関係の公益法人の改革案が出ていますね。その中で、内部留保については取り崩して国庫にしっかり返してこいということを、これは我々にとっては不十分だと思いますが、こういうことを今まで言ってこなかったから、そういう意味では半歩前進というふうに私はとらえたいと思いますよ。
 そこで、一年たって、こういうものが出てきました。この道路保全技術センターは統合されることになっておりまして、来年はこの組織はなくなります。ということは、この三月の決算のときにきちっとこの内部留保金をもちろん取り崩して、このへんてこな基金をつくっている、まだ使っていないそうです、大慌てでつくったんでしょう、これも含めてちゃんと回収をするということを担当大臣としてきちっとおっしゃらないと、去年の議論の経緯も生かしたことにならないし、まさに持ち逃げになりますよ。どうですか。

○金子国務大臣 御指摘ありましたように、昨年四月の改革本部最終報告に基づきまして、必要以上の内部留保や基金を、国に寄附するなど真に公益的な目的に活用するように既に要請をいたしております。
 そして、この三月でありますが、この決算におきまして、今金額を精査しておりますが、今年度中に国庫返納あるいは寄附等の対象額を確定し、二十一年度までに国への寄附等を実施させる予定であります。

○細野委員 今前向きな答弁をいただきましたので、これ以上言いませんが、これは与謝野大臣にも聞いていただきたいんです。
 こういう公益法人の無駄遣いは、去年の予算委員会で指摘をして、ようやくこういう報告書が出てきて、やろうじゃないかということになったんですよ。さらに、私は、これは国土交通省に対して少し酷な言い方になるかもしれないけれども、本当に、この財務諸表を見て、ここはおかしいんじゃないかというふうに我々が指摘していなければ、これは持ち逃げされていた可能性もあると思いますよ、こういうやり方を許していたら。
 与謝野大臣、ひとつ御答弁いただきたいんですが、財政再建派として消費税の議論をすることは結構です、我々は反対ですが。ただ、少なくとも、その前に、さっきの年金特会や財投特会の、基準のない、よくわからない埋蔵金の数々、あとは公益法人、これは本当に氷山の一角の一角ですよ、こういう埋蔵金をため込んでいたりする機関というのはたくさんありますから。増税をおっしゃるなら、そこですよ。そこについて何か決意が感じられない。
 さっきは、解決策は抜本的な税制改革だとおっしゃっていましたが、私は違うと思います。やるべきは、歳出の改革と特別会計の改革、公益法人の改革ですよ。そっちが優先だ。これは明確に御答弁いただかないと国民も納得できないですよ。お願いします。

○与謝野国務大臣 私は、そんなことは否定するつもりはありませんけれども、やはり行政改革、無駄の排除、財政再建というのを、三つ仕事を同時にやらなきゃいけないという話で、その中で多分順番はないんだろうと思っております。

○細野委員 いや、順番はありますよ。当たり前でしょう。埋蔵金も幾らあるかわからない、それぞれの公益法人がこれだけの積立金や埋蔵金をため込んでいて、増税するんですか。順番がないなんて、論外な答弁だと私は思いますよ。これは訂正してください。

○与謝野国務大臣 同時にやるということが必要なんで、これが終わるまでこっちは手をつけない、そういうことはあり得ない。重要な仕事を三つ同時にやるぐらいの度量と見識を持っていなきゃいけないということを申し上げた。
 それからもう一つは、こんなお金は持ち逃げされるというような表現を使われましたけれども、財団法人が解散する場合には国庫に納めるか類似の団体に寄附するということになっていまして、持ち逃げなどということはできないことになっております。

○細野委員 ここは、大臣、がっかりしました。三年後に消費税を上げるんでしょう、三年後に上げることを検討されるんでしょう。逆に言うと、その間にきちっとやればいいじゃないですか。残念ながら、今の御答弁だと、優先順位をどうも勘違いされているようですから、我々が政権をとってやるしかないなと改めて思いました。この論争はもうやめたいと思います。この話だけしているわけにいきませんので、これで終わります。
 次に私が伺いたいのが、時間もなくなってきましたので、天下り、わたりの問題です。
 これは官房長官に主に答弁いただきたいと思っていますが、まず初めに認識していただきたいのが、天下りには三ルートあるということ。資料をつけております。一応パネルがあるんです。これは先日、長妻委員のときに提示をされたパネルです。一番上に資料をつけています。
 今政府が一生懸命やめようとされているのは、我々に言わすとオモテルート。すなわち、各省がやっているあっせんは、これは一年以内にやめるということを今一生懸命言われている。やり方は私どもと違いますが、そういうことはおっしゃっている。ただ、残るのが新オモテルート。すなわち、官民人材交流センターを通じてのあっせんは、これはこれからやる、今これからやろうとしている、こういう状況なので、この天下りは残る。
 そして、きょう私が一番問題にしたいと思っているのは、このウラルート。すなわち、あっせんによらないけれども、明らかに役所から天下って、そしてそこに税金が使われている例。これをしっかりと、どういうふうに明らかにして、そしてやめさせていくかということについて伺いたいと思います。
 まず、事実関係を指摘したいと思います。
 まずこれですが、このS氏、この間、私、予算委員会で指摘をしました。わたりを繰り返したS氏がどういう形で再就職を繰り返してきたかというリストです。そして、この中に書いてあるのは、そのS氏の前任者であるA氏、B氏、C氏。そして、後任者であるD氏、E氏、F氏、G氏、D氏。それぞれもこれは再就職をしているんですが、では、それぞれがあっせんがあったかどうかを確認してもらいました。そうしたら、官房長官、このA氏についてはあっせんの有無を確認できなかった。ですから、これはいわゆるやみルートになっている可能性がある。D氏についてはあっせんを確認できたそうです。これはまず事実関係として一つ指摘をしたいと思います。
 もう一つ、三枚目の資料をごらんください。
 一番近しい例として調べることができたのが、これはちょっとわかりにくい図なので説明をさせていただきますが、これは二〇〇七年度において厚生労働省が天下りのあっせんを認めた人のリストです。一から五まで、わずか五人しか天下りを認めていないんですね。まずこれが論外。あとは全部ウラです、やみルートです。
 そして、それぞれの五人の方、例えば、一の方が独立行政法人勤労者退職金共済機構の理事に天下っておられるんですが、では、そこの前理事を務めた人がどこに勤めていますかということを聞きましたら、これは右が出てきました。この一の方は民間企業の顧問をされている。これは結構。二の方、財団法人女性労働協会の専務理事に天下った人の前任者は今どうしているかというと、鉱業労働災害防止協会の専務理事をやっている。しかし、この方は、このわたり、再々就職についてはあっせんは受けていないというふうに厚生労働省として正式な回答がありました。その下は、独立行政法人雇用・能力開発機構の理事を務めた方の前任者は、労働関係法人の厚生年金基金の理事長に行っておられて、この方はあっせんありというふうに答えられています。その下の四番の方の前任者は、陸上貨物運送業労働災害防止協会の専務理事で、あっせんなし。その下が、社団法人国際厚生事業団の専務理事。
 三の方だけは、この前任者のあっせんを認めていますが、残りの三人の方については、二と四と五についてはあっせんなしというふうに答えています。厚生労働省の政府委員に一応確認しますが、これでよろしいですね。

○大谷政府参考人 御指摘のように、残り三件についてはあっせんの事実は確認しておりません。

○細野委員 官房長官、あっせんなしなんですよ。
 ただ、私、実は、かなりわたりのこと、天下りのことを長くやっていまして、ぴんときたんですよ。何にぴんときたかというと、この天下り、あっせんなしとした三つの団体のそれぞれ役職名が専務理事でしょう。おわかりになりますか。秘書官の方、ちょっとわかるように指してください。専務理事ですよね。官房長官、いいですか。専務理事というのは、こういう団体においては、ほとんどの場合に天下りポストなんですよ。
 調べてみました。では、この前任者の方がつく前はどういう方がこの専務理事をやっていましたかと聞いたら、全員厚生労働省OBなんですよ。あっせんなしだけれども、代々厚生労働省のOBが専務理事を務めてきているんですよ。これがウラルートなんですよ。官房長官、明らかに厚生労働省のわたりのルートになっているのはお認めになりますね。
 あっせんはない、こういうのをちゃんと調べて、あっせんはないけれども厚生労働省の再就職先になっているところがあるんだから、調査をする必要があるでしょう。官房長官、お願いします。

○河村国務大臣 一つのルートになっているという御指摘、これは、政府として考えてみて、一たん退職をされる、民間の方になっておられる、この方々が、省庁を経ずして人間関係でやられるということ、こういう形から推測して、おっしゃること、指摘されることは、それは現実にそうなっているんだからそうだと言われればそうかもしれませんが、これを調査するということはなかなか難しいんじゃないかなと思うんです。まさに、省庁が関与していない再就職については、元公務員であったという理由だけでこれを規制するような形ということは、私は難しいのではないかというふうに思いますが。

○細野委員 河村官房長官は非常に誠実な方だというふうに思いますので、ここはぜひ調査を約束していただきたいと思うんですよ。できます。これは簡単なんですよ。だって、天下りをあっせんするときに、あっせんをしたその先に勤めている理事であるとか専務理事がどこに行くかなんて調査は簡単にできるじゃないですか。だから出てきたんだから。できますよ。
 さらに言うならば、例えば、所管をしているそれぞれの団体で、同じポストにずっと、例えば五代以上OBが続けてついているなんというのはすぐに調べられるわけですよ。それは明らかに、あっせんがあろうがなかろうが、わたりのポストになっているんだから。それを所管団体についてきちっとヒアリングをして調べるということはできるでしょう。それをきちっとやってくださいということを申し上げているんです。それをやらないと、ウラルートは解明をされないし、なくならないですから。
 必要性はわかっていらっしゃると思いますので、そこの調査を約束してください。

○河村国務大臣 私は、これからの問題をどう考えるかということが非常に大事だと思うんです。
 したがって、御指摘のような疑念を持たれるようなことにならないようにするにはどうしたらいいか。もっと透明性を高めるとか、これは指導監督基準要領というのがたしかあって、公益法人等においては、公務員のOBを受け入れたときはそれをインターネットで明らかにするようにという方法がありますから、こういうことをやはりきちっとして、まさに透明性を高めて疑念を持たれないような形に持っていくということは、これは一つの、今の御指摘に対してこたえることになるのではないか、こういうふうに思います。

○細野委員 官房長官、ここは私こだわります。
 あっせんがない以上、透明性を高めようがないじゃないですか。あっせんがいいか悪いかということを、これからどういうふうにそれを承認するかとか、どういう基準にするかという議論は幾らでもできると思いますよ。ただ、あっせんがないと言っている以上、透明性の高めようがないんですよ。そういうものでおかしなものがあるとすればそれをやめるというのがこのウラルートの解明なんです。だから、これから透明性を高めるという話と現状がどうなっているかという話は違います。
 さらに言うと、この現状を変えられない限り、こういう、あっせんはしないけれどもわたりのルートとなってこうやって渡っていける先というのは営々と残るんですよ。それを政府として認めるんですか。それをきちっと調べてくださいということを申し上げているんですから、官房長官、わかりますね、きちっと調べてください。

○河村国務大臣 御指摘のようなわたりが問題にされるのは、こういう雇用の現状ですから、公務員だけが何か特権的な就職をやっているじゃないかという御指摘があることも承知しております。しかし、これが問題になったのは、やはり、予算権限を持ったり、あるいは、まさにこれによって特別な予算がつくとか権限がつくとか、こういうことによってこれが慣行化されているということが非常に問題になっておるわけでありますから、そういうことをいかになくすかということのために、官民交流センターで中正、公正な仕組みをつくっていこうと考えたわけであります。
 これは、おっしゃるような御指摘を踏まえて、どのような形で、そういうまさに権限を持ったり予算をつけたりするような形のもの、疑われるようなものでなければ、いわゆる官僚の皆さん方の体験、能力、これをまた社会に生かす方法というのは、それぞれ自己努力によって積み重ねられていく、努力されて自分の再就職口を見つけていかれる、これは、やはり公務員OBといえども自分たちのそれぞれの生活を持っておられるわけですから、これに対する疑念を持たれないようにするということが私は一番大事だ、その方途については検討してみたいというふうに思います。

○細野委員 河村官房長官、この団体をそれぞれ見ていただきたいんですが、それぞれ厚生労働省に何らかのかかわりを持っている団体ですよ。当然、許認可がかかわっていますよ。全部調べ切ることはできていませんが、何らかの公的な資金が行っている可能性もあると思いますよ。それは、あっせんがあろうがなかろうが、喜んで天下りを受け入れるんですよ。だって、そのことによって、あうんの呼吸で、これからもこれまで来ていた補助金がもらえる、これまでと同じように許認可を受けられる、そういうことがあるからでしょう。今大臣がおっしゃった許認可とかお金の使い方に直結しているじゃないですか、この天下りは。そういうことをきちっと考えて、今どうなっているのかと調べるのは、天下りの問題、わたりの問題がここまで大きくなっている以上、当然だと思いますよ。
 では、官房長官に聞きますが、疑念を持たれないようにこういうものを変えていくというのであれば、どうやって変えるんですか、調査もせずに。どうやって、このあっせんのないわたりのルートを変えるんですか。疑念を持っていますよ、明らかに国民は。国民が持っている疑念に官房長官としてどうこたえるのか、そこまでおっしゃるなら、きちっと答弁してください。

○河村国務大臣 ウラルートが新たにあるんだという御指摘でありますから、疑念を持たれないようにするにはどういう形でやっていくのか。おっしゃるような、OBの転職先をきちっと把握しろと言われるんですけれども、これは、公益法人のケース、民間企業のケース、いろいろあるのではないかと思いますが、政府がこれを把握する立場にあるかどうか、私はそれに対して疑念を持っておるわけですけれども、今おっしゃるような疑念を持たれないように、一般公開基準をつくるとかこういうやり方があるのではないか、それを検討させてもらいたい、こういうふうに申し上げている。

○細野委員 今、大事な答弁ですよ。一般的な公開基準ですね。公益法人のこういう天下りについては、あっせんがあろうがなかろうが全部公開するんですね。一般的な公開基準とおっしゃったんだから、そうですね。これは大事な答弁ですよ。答えてください。

○河村国務大臣 監督指導基準的なものでは、特に公職、その団体、公益法人が役員を受け入れた場合にはそういうものをインターネット等で公表するようになっていますから、それは一つの例ですから、そういうことをもっと確実なものにしていくとか、いろいろなやり方があるんじゃないでしょうか。

○細野委員 今官房長官が答弁をされたのは、あっせんがある場合の公開の話でしょう。あっせんがない場合についても一般的に公開するとおっしゃいましたね。一般的にということはそういうことでしょう、違うんですか。答弁してください。

○河村国務大臣 公務員の皆さん方は利害関係のあるところには行けない、こうなっておりますから、少なくとも二年間はだめだという基準もございます。
 そういう意味で、基本的な考え方、一般論として言えば、公務員をやめられた方は一般人になっておられるわけでありますから、その方々がどういう形で就職をされるかどうか、これはまさに職業選択の自由という問題もこれありますから、そういう点でまた慎重にならざるを得ない部分が一つあるということなんです。
 しかし、公務員であった者を受け入れた場合にそういう疑念があるんだということであれば、それをどのような形で公開してもらうかということも含めて検討してみたい、こういうふうに申し上げたわけです。

○細野委員 官房長官は御決断できないようですから、もう時間もなくなってきましたから甘利大臣に聞きますが、この間御答弁をいただいて、こういうのはもうやめますとおっしゃいましたね。こういうわたりを続けていって、その前後にまた同じような形で渡っていくようなことはやめるというふうに私に答弁されたんですよ。覚えていらっしゃいますか。(甘利国務大臣「けしからぬと言ったんですね」と呼ぶ)いや、やめますとおっしゃいました。答弁で残っています。こういうのはもうやめるんですという答弁をされたんです。議事録を見てください。
 この中でA氏はあっせんを認めていません。ということは、あっせんを認めていない者も含めてやめると大臣は責任を持ってテレビの前で答弁をされたんだから、甘利大臣にはこういうのをちゃんと調べる責任があるんじゃないですか。それか、もしくは答弁を取り消しますか。

○甘利国務大臣 私は、一般的なモラルの問題として、この水産庁の方ですか、六つも渡り歩く、こんなことはけしからぬことで、総理もそう思っていらっしゃるはずですというふうに申し上げた記憶があります。その延長線上での話だと思います。
 そこで、そもそも天下り自身は私の所管ではないのでありますが、新しい公務員制度をつくって、それを本格稼働させていくことによって、基本的に勧奨退職が少しずつ制度の構築に従って減っていく、そうするとその分に比例して天下りというものはなくなっていく、そういう体制の整備の中でモラルが構築をされていくのではないかと思います。
 あと、官房長官の御答弁は、やはり非常に我々が悩ましいところであって、一般の人になった人がどういう仕事を選択するかということは、憲法上の職業選択の自由というものが一つあります。そういう中で、自身の人脈に頼っていろいろ自分の能力を生かしたいところに進みたいというところを憲法との制約でどこまで遮断ができるかという問題があるんだと思います。これは、私の立場からすれば、公務員制度の改革をつくっていく中でモラルが形成されていくということを期待したいと思っています。

○細野委員 聞きたいことは山ほどあったんですが、もう時間もなくなりました。
 大臣、芋づる式ですぐ出てくるんですよ、こうやって出てきているのだから。我々野党が、一つ一つ、ここはどうですか、あそこはどうですかといってさんざんやりとりして、我々は今、政府のアウトサイダーですよ、アウトサイダーでも、こうやって一つ一つひもといていけば、出るんじゃないですか。皆さんが本気でやる気になって、この芋づる式のウラルートを解明しようという覚悟があれば、それはできるんですよ。職業選択の自由とかそういうレベルの話ではなくて、こういうわたりが続くことによって、ウラルートで残ることによって、そこに税金がなだれ込み、そしてそこに税金がため込まれ、そして無駄遣いがされているという構図を本当になくす覚悟があるのかどうかということを示すのが、これを調査するかしないかというところにあらわれているんですね。
 質問時間が終わりましたからこれで終了いたしますが、この問題は、我々あきらめません。この予算委員会のさなかは徹底的にやることを最後に宣言して、質問を終わります。