衆議院農林水産委員会

○細野委員 おはようございます。
 きょうは、農水委員会での質問の機会をいただきまして、委員長、まず心より感謝を申し上げます。
 石破大臣の所信を私も非常に興味深く拝聴いたしました。これまで安全保障の議論は大臣と何度かしたことがありまして、かなりの回数やってまいりましたけれども、大臣が農林水産業についても非常に強い熱意を持っていらっしゃるということが所信を聞いておりましてもよくわかりまして、心強く感じたところでございます。
 その中で、私がまず非常に興味深いなと思いましたのが、大臣が、今の日本の農林水産業をもって存亡の危機にあるという極めて強い危機感を示されたこと、これは同感でございまして、このことを示されたことが非常に興味深く目にとまりました。その上で、一方で農林水産業は潜在力を秘めていて、数少ない成長産業であるともおっしゃいました。
 問題は、この存亡の危機にあるという現状と成長産業であるというこのあるべき姿とのギャップをどう埋めるか、ここが具体的にどうなのかというのが今まさに農林水産省としても求められているところなんだろうというふうに思うんですね。
 その間をどう埋めようとされているのかをお伺いしたいんですが、その中のポイントの一つとしていわゆる農地制度、これは、先月の記者会見では晩秋までにまとめると。晩秋ということは、十一月、もうそろそろ晩秋に入っておりますので、時間がなくなっておるということになるわけですが、ここに少し焦点を当てながら、どうこのギャップを埋めていくのかということについて大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○石破国務大臣 存亡の危機にあるというのは、間違いなくそうなんですよ。だれが見てもそう見えますよね、これだけ耕作放棄地がいっぱいあって。先ほど小野委員の質問にもありましたが、基幹的農業従事者、いわゆる農業をなりわいとしている人が、六十代以上が七割ということになると、これは十年前は五十代以上が七割とかそんな話で、あと十年たつと七十代以上が七割とか、二十年たつと八十代以上が七割みたいなことがあるはずがなくて、これを存亡の危機と言わずして何と言うのだということだと私は思います。
 他方、成長力を秘めているというのは、アジア・モンスーン地帯にあるというこの気候ですね。もう一つは、傾斜が急峻で水がざあっと流れて、連作可能な水田があるというのが我が国の物すごいメリットですね。そして、何よりも豊かな消費者がこれだけいるというのは大変なメリットではないのかということだと思うのです。
 これをどう埋めるかということは、私は委員と問題意識を共通にいたします。そこにおいて、農業者、農地、そして農業インフラストラクチャー、これを一つ一つ精緻に分解して議論をしていかないと、自給力だけに拘泥をするとその辺を見落とすことになるんじゃないか。つまり、食生活が貧しくなったので自給率が向上して政策目標は達成されました、めでたしめでたしの図というのは倒錯した議論であって、そんな議論をしても仕方がないと私は思っているのです。
 農地について、また議論させていただきたいと思いますが、基本的には、やる気のある人に農地が集積するような仕組みというのをつくっていかなければいけない、私はそれに尽きるのだろうと思っております。やる気のある人に農地が集積するような仕組みとは一体何であるか、そして、自作農主義から耕作者主義へ転換をしてきましたが、これがこの後どういうふうにして変わっていくのだろうか、いかねばならないのだろうかという議論はいつまでもしていていいものではないと思っておりまして、次期通常国会に法案を出したいというふうに思っております。それに向けて検討を、今最後の段階になっておりますので、晩秋と申し上げたのはそういう意味でございます。
 ただ、省内でまだ幾つか論点がございまして、ここでこういうふうにするということが公にできるようなお話ではございませんが、委員のいろいろな御指摘も踏まえながら私どもやっていきたいと思っております。繰り返しになりますが、やる気のある人に農地が集積するようにしたい。
 それから、先ほどの議論にもありましたが、耕作放棄はなぜ起こるのかということだと思います。それは、条件不利地域だけに耕作放棄が起こっているかといえば、そんなことは全然ないわけであって、条件のいいところだって耕作放棄は山ほど起こっているわけですね。では、これは一体何なんだ。耕作放棄問題というのは条件不利地域の問題であるというふうなのは、私は誤った先入観だと思っております。
 それぞれの地域でなぜ耕作放棄が生じているのか。そして、それは転用によるものが非常に多い。でも、みんな経済合理性の動物ですから、経済合理性があるから転用しているわけで、それをとめるためにいろいろな規制をかけたとして、それが経済合理性とどのような整合性を持つのかというのは極めて難しい議論だと思っておりますが、そこを解決しない限り農地問題というのは展望が開けないと私は認識をしております。

○細野委員 耕作放棄地について、いわゆる僻地、耕作が難しい地域でのみ出ているという現状にははるかにない。そこから大きく出ていて、かなり町場で、比較的いい農地と言われるところでも、もう既に私の地元なんかでも出ておりますので、そこは認識は全く共有します。
 農地法を出されるというふうに今はっきりおっしゃいましたので、その場所でまた議論させていただきたいと思いますが、私どもとしても、そもそも農地というものを、先祖代々の農家のもので、この私有財産権をとにかく守るという発想に立っていては状況は好転してこないというふうに思っておりまして、今利用権を設定して、ある種、今も市町村による法的措置というのはありますが、あれをもう少し実質化させるような農地法の改正に踏み出すべき時期がもう来ているのではないかという認識は持っておりますので、そこはぜひこの場所でまた議論をさせていただきたいというふうに思います。
 次にお伺いをしたいのが、農協の政治活動について。
 きょう、資料をお配りしておりますので、大臣、まずそれをごらんいただけますでしょうか。これは、これまで何度か本会議及び委員会、衆議院、参議院で農協の政治活動について議論がなされておりまして、その中で大臣が直接答弁をされていて、最近のもので引用に値するかなというものを二点引っ張ってまいりました。それぞれ書いてありますので、ごらんをいただければというふうに思うんですが、二つとも共通をしておるのは、農協については政治活動は認められていて、公選法であるとか政治資金規正法に反しない範囲で行うことは問題なしとしていることですね。
 平成十三年の六月二十一日の武部農水大臣はこういうふうに答弁をされている。「しかしながら、中央会は農協を会員とする団体であり、農協にはいろいろな考え方を持っている組合員が加入しているということから考えれば、」この後ですね、下線を引いてあります、「無理な政治活動は組織内部の混乱を招くおそれがあることから、その活動はおのずと限界があるものと考えます。」こういう答弁です。
 さらに、平成十六年の五月二十八日の亀井大臣の答弁は、同趣旨のところに下線を引いてあります、「誤解や混乱を招くことのないよう節度を持って行うべきものと考えております。」
 つまり、農協というのは、政治活動は自由だけれども、当然それにはある制約が課されるという趣旨の答弁が二回なされています。ほかの答弁も累次こういう形でなされています。
 まず、石破大臣に確認をしたいんですが、前段のところは結構です、農協が今の法律的な枠組みの中で政治活動が法律に基づいて認められているということは、これは恐らくそういうふうに答弁されると思いますから結構ですが、後段のところについて、ここで言っている節度であるとか限界というものを当然大臣として従来どおりお認めになるかというところを確認したいというふうに思います。

○石破国務大臣 十六年五月二十八日の亀井大臣の答弁はこのようになっております。「農協には思想や信条の異なる様々な方が組合員として加入していることを踏まえれば、誤解や混乱を招くことのないよう節度を持って行うべき」ということでありまして、これは実に当然のことを述べたものだというふうに考えております。その認識に私どもは変わりはございません。
 農協は、その目的の達成に資するために行う政治活動については、ほかの一般の法人と同様、公選法、政治資金規正法に抵触しない限り認められる。これは委員御指摘のとおりで、この点について繰り返して議論するつもりはございません。
 農協の政治活動一般について、政治的中立性を求めるべきだというような議論があるわけでございますが、それは現に農協等が有しております政治活動の自由を新たに制限するおそれがあるのではないかということでございます。つまり、活動一般について政治的中立性を求めるということになりますと、それは政治活動の自由に新たな制限を付加することになるのではないかという認識でございまして、節度を持って行うという認識に政府として変更はございません。

○細野委員 一つ一つ整理して議論したいんですが、節度を持って行うべきというのは、大臣も従来どおりだというふうにおっしゃいました。
 それでは、一つ具体的に聞きたいんですが、よく農協に特定の候補者のポスターが張ってあります。私は今手元にその一つの例を持っているんですが、配ろうかどうしようか迷ったんですが、余り特定の候補者を中傷するような形になるのは私の本旨ではありませんのでお見せはしませんが、農協の例えば建物の中にもしくはATMの場所においてポスターが張られている。こういうものは、農協というものが地域においてほぼ金融機関として独占的な立場にあるケースもある、また、経済活動においても農家の皆さんに対して強い影響力を持っているということになれば、堂々と敷地の中にもしくはATMのところにポスターが張ってあるというのは、この節度や限界をはるかに超えていると私は思いますが、大臣、このことについてどのようにお考えになるか、お答えをいただきたいと思います。

○石破国務大臣 農協系統金融機関についてのお尋ねでございます。
 これは金融業務を行うに際して、厳正に政治的中立性が担保されなければいけない、厳正な政治的中立性を確保するということは当然であると考えておるわけでございます。
 ですから、それは個々のケースについて、これはどうだああだということをこの場で私が申し上げることは必ずしも適切ではない。それは農協に限らず、いろいろなものについて節度は守られるべきだというふうに考えております。
 それは個々のことについて、これがどうなの、こうなのということで断定はできません、それはその場のいろいろな状況がございますので。それは農協に限らず、すべてのものが節度を持ってやるということなのだと思います。それ以上でもなければそれ以下でもない、それが節度というものだと私は思います。

○細野委員 大臣、そこは逃げずに御答弁をされる責任があると思いますよ。具体的に節度とか限界とかおっしゃっているのだから。この答弁に基づいて、ここで限界は何ですか、節度は何ですかといったときに、それは節度を持って皆さんが判断してくださいということになれば答弁の意味はありませんから。
 具体的に聞きますが、では、大臣は、具体的に農協というかなり独占的な役割を果たし、農家の皆さんや地域に極めて強い影響力のあるその建物のところにポスターを張るという行為自体は、この節度や限界に当たらないというふうにここで答弁をされるんですか。確認をしたいと思います。

○石破国務大臣 それは、農協が独占的かどうかというお話にまたなってくるんだろうと思いますね。それは地域において農協というものが果たす役割というのがありますが、その地域に別に農協が相互乗り入れしたって構わないわけでございますし、ほかの農協をつくったって何らそれが規制を受ける、拘束を受けるものではございません。
 また、一方において、これは我が党に限らず他党でもあるお話なのかもしれませんが、つまびらかには存じませんが、農協が行う場合には、私のところもそうですけれども、農政協議会というところが推薦する、何々農協という名を名乗って推薦をするという例は比較的まれではないかというふうに承知をいたしております。
 そういたしますと、そこの農政協議会の活動としてどのような場にどのような掲示をなすことが節度の範囲内であり、どのような場に張ることが節度の範囲外なのかということは、それは個々具体的に論ぜられるべきものではないでしょうか。
 そしてまた、ポスターが、仮にポスターのお話に特定してお答えするとすれば、どういう場所にどれだけ張るかということも節度の問題だと思いますね。
 つまり、ATMのところに右も左もすべてポスターを張り尽くすということは相当に節度を超えてはおるのでしょうが、やや控え目に、場合によっては見てちょうだいねというような場合は、それは節度の範囲内だという考え方もあるでしょうし、それはケース・バイ・ケースだと思います。

○細野委員 私は、大臣はわかっておっしゃっていると思うんですが、農政連は全く別の存在として別の議論が必要だと思っています。きょう私が議論したのは、農政連の活動ではなくて、農協本体として、農協本体のATMが農政連と関係ないことは明らかですから、しかも節度を超えてやっている、まさに大臣が言ったような例を申し上げたわけです。わかりました、大臣はそれはポスターの張り方にも当然節度があるという御答弁をされたということはわかりましたので。
 では、委員長にちょっとお願いをしますが、ここで言う節度とか限界というのはどういうことなのか、農水省としての現段階でのきちっとした見解を委員会に示していただきたいと思いますので、お取り計らいをお願いします。

○遠藤委員長 理事会で協議させていただきます。

○細野委員 この問題ばかりやっていられないので、最後に大臣にもう一回お伺いをしたいんですが、協同組合組織の中で、例えば生協ですね、中小企業等協同組合、あとは商工会議所も、これは余り知られていないんですが、政治的な中立性を規定しているんですね。商工会議所も政治的な中立性が書かれています。金融機関でいえば、労金も書かれていますし、全信組連も書かれていますから、信用組合も政治的な中立性が法律的に書かれている。
 農協もこの並びでいえば書くことは全然おかしくないと私は思いますが、さっき大臣はちょっと前のめりでそこまで答弁をされましたが、これは例えば生協であるとか中小企業等協同組合とか商工会議所なんかが中立性が確保されていて、法律的に書いてあって、農協は書いていない。これはなぜ違う規定になっているのか、大臣、合理的にわかるように説明していただけますか。

○石破国務大臣 それは、御指摘のように、私もこの問題が提起されて以来、いろいろな法律を見てみました。労働金庫であり、信用組合であり、生協であり、信用金庫であり、そして農協、漁協でありということであります。それを明確に述べよと言われて、そこをきちんとしゃべるだけの知識は私は持ちませんが、それが何を目的としてやっているのか。
 すなわち、労働金庫であり中小企業等協同組合であり、それぞれ目的が違うわけですね。私は、農協において、例えば資金を融資する金融業務において、そのような差別的な取り扱いがなされてはいけない、当然のことであります。それぞれのものが、その設立の目的に従ってやるということを妨げないということを担保することが極めて重要なことであります。
 では、ここに政治的中立性というようなことを書くということが望ましいのか。それぞれの機関がいつの時期にどういう背景でつくられたかということを全部見てみた場合に、農協にそういうような規定がないということが必ずしも不適切だというふうには私は考えておらない。それぞれがいかなる権能を持ち、いかなる役割を果たすかということに由来するものだと思っております。

○細野委員 過去に農協法ができたときに、なぜ政治的な中立性が書かれていないのかという答弁も実は法制局も含めて何度かなされていまして、よくわからないというのが政府の見解なんですね。
 例えば生協というのは、これはむしろ政治的に消費者の観点からさまざまな発言をすることを求められる団体ですね。にもかかわらず、政治的な中立性が書いてあるんです。ですから、農協が農業の振興において農家のために何か政治的な発言をするということと中立性が求められるというところは、生協とパラレルに考えれば、当然区別して考えられるべきところなんですね。つまり、農協がさまざまな政治的な発言をしなければならないから中立にはなれないという理屈は、生協がそうでないのと同じように当てはまらないということを申し上げたいんです。
 ですから、我々、農協の政治的な中立性についてはもう既に法律を出す準備を進めておりますので、これは大臣としては受け身ということになるのかもしれませんが、そこはぜひ前向きにとらえていただきたいということを最後に申し上げたいと思います。
 時間もちょっと短くなってきていますので、汚染米の問題についてお伺いしたいと思います。
 大臣、これは広告ですね、十一月の八日に全国紙、地方紙にも出ていましたから、相当幅広く汚染米について政府広告を出されましたね。これはいろいろな省庁が絡んでいますが、恐らく農水省はかなり中心的な役割を果たしたのではないかというふうに書かれています。
 私がこれを読んで一つ違和感を感じましたのは、大臣、こう書かれているんですね。「今回の事故米の問題については、多くの方々にご心配・ご迷惑をおかけしました。 政府は、内閣府にチームを設け、情報の公開、流通経路の解明、再発防止策の確立などに向けて、各府省連携し一体となって全力で取り組んできました。」と。これはいいと思います。その次に、「その結果について、以下のとおりご報告いたします。」とある。この調査結果がほぼ終了したかのような書き方になっているんですね。
 もう一つ私が注目しているのは、「残っていた事故米はすべて回収され、市場には一切、流通していません。」の後に、「農林水産省では、先月末までに事故米の流通経路を可能な限り解明しました。」と。解明しましたと過去形になっているんですね。これは本当に正しいか、私ちょっとそこに疑問を持っています。
 そこで、私が配った資料を見ていただきたいんです。二枚目です。これは農林水産省から出していただいた資料ですが、政府の側で集中的にこれまで調査をしてこられたのは、輸出国から輸入をされて、正品として政府が買い入れられた、つまり、上の部分ですね、問題なしとして正品として政府が買い入れて、そして、保管をしておったら後からメタミドホスがポジティブリスト方式になって事故米で流通させることがだめになった、もしくは長くそこに貯蔵しておったらカビが生えてしまって食用には適さなかったということですね。そういうものについて調査をされた。
 ただ、余りこれまで話題になってきませんでしたが、実際には入ってきたときにもう既に食品衛生法違反に当たり、つまり、農薬であるとか、カビが生えておって、食品衛生法違反で食用には流通することができなかった、許されなかった。そして、それがここで下に書いてあるんですが、これは非常に重要なんですが、この事故米についても基本的にはすべて一回政府が買い入れているんですね。これは大臣は御認識でしたか。
 既に事故米として入ってきているものも、少なくとも一回政府が買い入れて、それから商社に戻して民間に流通させているんです。その意味では、一たん政府の所有に入っているという意味では、正品で入ってきたものも事故米で入ってきたものも全く同じなんですね。
 こっちの流通ルートはまだ解明されていないと承知をしていますが、あたかも政府がかかわったものについてはすべて解明したようなこの政府広報というのはかなり誤解を生む可能性がある、私はそう思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○石破国務大臣 それは誤解をされないようにいろいろな手だてはやっていかねばなりません。
 それは、接着剤みたいで変な言い方ですが、瞬間タッチという形で委員御指摘のように一回そういうような経緯を経ます。ただ、その瞬間タッチなるものをそこで微に入り細にわたって御説明するわけにもなりませんので書いておりませんが、ではその分の解明はもう今後はしないのかといえば、そういうことではございません。今まで可能な限り解明をしたし、今後ともできるものはやってまいらねばならないということは当然のことでございます。

○細野委員 きょう厚生労働省にも来ていただいているんですが、三枚目以降で、ここで流れている米が食品衛生法上検疫所でどういうふうに扱われているかという記録を厚生労働省から出していただきましたので、ごらんをいただきたいと思います。
 まず三ページ目で、食品衛生法違反通知が、これに関していうと双日に、運用した商社に出されています。違反をしているので食用に出してはだめですよというのが三枚目ですね。
 それで、通知書が税関支署にも出されているのが四枚目。
 五枚目を見ていただきたいんですが、食用には回すことができないこの米をどういうふうに加工するかということをこの双日が計画書を出しているわけですね。まず見ていただきたいのが、どこで加工するかというと、三笠フーズでやると六番目の「処理加工場所」に書いてあります。実際には、三笠フーズは非食用には加工していなくて、食用に回っていたということですね。「販売先」は森光商店ということになっている。これは、今調べに対してなっていますが。
 時間も限られていますが、まずお伺いしたいんですが、私が一つ注目をしたいのは、この「処理加工期間」ですね、八番に書いてあります。平成十九年の九月一日から平成二十一年の三月三十一日までという、これは一年半かけて加工処理することになっておるんですね。
 これは平成二十一年の三月三十一日というと、来年の三月ですからまだ報告もされていないんです、ほとんどのものが報告をされているのに。私から見ればこんなのは明らかに、一年半もかけて加工処理するなんてことは考えられませんから、かなりの部分、この双日と三笠フーズと森光の間で何らかの、この処理がきちっとなされないということについての暗黙の了解があったように見えて仕方がないんですが、厚生労働省として、この一年半もの間、時間をかけて加工処理をするというこの考え方についてどういう御見解を持っているか、お伺いしたいと思います。

○石塚政府参考人 食品衛生法違反になりました米につきましては、この用途変更の申請書というのが出されるわけでございます。その際には、飼料に転用する場合には転用計画書、それから、今御指摘ありましたように、工業用への転用につきましては処理計画書等の提出を受けまして、検疫所から税関あてに、食品衛生法違反物件の用途変更連絡書によりまして食品衛生法の規制対象外となる旨を連絡しまして、輸入者が通関手続を行うものでございます。
 これらの書類につきましては、実は、用途変更が出された段階で既に食品衛生法の対象外となっているものでございますので、これが出された書類というものはあくまでも任意で提出してもらっているものというように理解をしております。したがいまして、この内容が事実であるかどうかということにつきまして、これを食品衛生法を根拠として検査するとか確認するということについては権限がございませんので、この書類を一応信用するという立場でございます。

○細野委員 今の厚生労働省の答弁は相当ひどいですよ。水際でこれは食用か食用でないかという判断をするのは検疫所の役割ですよね。それがこれは食用に適さないということで判断をしているのに、書類は任意ですか。
 では、聞きますが、六枚目、これは誓約書になっていますね。「誓約書」の下に、この物件については下記のように「食用以外の用途に転用する事を誓約致します。」。誓約書になっているじゃないですか。これは法的文書でしょう。損害賠償も請求できるぐらいの誓約書を課しておいて、それこそこれは任意で出してもらっている書類であって、しかも何の追跡もしていないわけでしょう。検疫所とはそんなものなんですか。この誓約書というのはどういう効果があるんですか、御答弁ください。

○石塚政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたように、用途変更がなされた段階で食品衛生法の規制対象外ということになっております。したがいまして、ここにございます計画書、それから誓約書というものにつきましても、業者の方から自主的に出してもらっているものというふうに位置づけております。
 食品衛生法の法的な根拠がない中で、これに対して法的な権限を行使するということは、私どもにとってはそれはできないという立場でございますので、あくまでもこれらの誓約書といったものも信用するという立場でございます。

○細野委員 時間がなくなりましたのでまた改めてやりたいと思いますが、これは大分やったんです、厚生労働省と。全く当事者意識はないんですね。
 最後に、私から見解だけ言って終わりにします。
 この三笠フーズに回っている米というのは、工業用に回るはずだったものなんですね。事故米の中には、もう食べられないので飼料用に回るものと、飼料にするのもまずいので工業用に回るものがあるわけですよ。要するに、豚も牛も食わないものを人間が食っていたという話なんです。
 その意味では、この例以外に飼料用に回っているものが相当あるわけですね。私の推測ですが、工業用ですら食用に回っていたんだから、飼料用が本当に人間に回っていないかという疑義を相当持っていますので、一刻も早く事故米が、少なくとも私が調べた段階でも二・五万トンぐらい事故米がここ数年間で入っています、それが食用に回らなかったのかどうかということについては、できるだけ早期にきちっと検証していただきたいと思います。
 私が今の検疫所の話を聞いてもう一つ疑問に思ったのは、検疫所は米以外の食料品についてもチェックをしているわけですね。小麦もやっています。加工食料品もやっています。これは廃棄してください、これは食用に回してはいけませんよと判こだけ押して、全部チェックしていないんじゃないですか。チェックする権限はないと言っているんだから。だから、問題は米だけじゃないかもしれませんよ、大臣。
 ですから、検疫所の問題と食の安全の問題は、ここに大きな穴があると私は思っています。これは組織の改編においても、消費者庁をつくるとおっしゃっているけれども、検疫所の問題は入っていませんね。我々は、食品安全庁という組織で検疫所も視野に入れてちゃんとやっています。組織を変えることについてはいろいろ議論があるかもしれないけれども、少なくとも、この問題が出てきて検疫の問題が出てきているんだから、そこはしっかりと大臣として視野に入れて問題の解決を図っていただきたい、これは緊急課題だと思いますから、そのことを最後にお願いをして、質問を終わります。
 ありがとうございました。